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【特別対談】誰もが元気で明るい社会にするために、抗体検査・抗原検査・PCR検査を行う重要性を若者に発信したい

ICheck疫学調査コンソーシアム 尾﨑治夫氏 惣田紗莉渚さん-対談画像
提供:医療情報誌『JMS』

INTERVIEWER’S PROFILE

東京都医師会会長

尾﨑治夫氏

ICheck 疫学調査コンソーシアム

アンバサダー

SKE48

惣田紗莉渚さん

第二波と呼ばれる感染拡大が続く新型コロナウイルス。秋から冬にかけては、インフルエンザの時期と重なってくるだけにまだまだ予断を許さない状態が続く。気になるのは、新型コロナウイルスに対する理解が低い若者が多いことだ。東京都医師会会長の尾﨑治夫先生と、ICheck疫学調査コンソーシアムのアンバサダーを務めるSKE48の惣田紗莉渚さんが、抗体検査などの重要性を語り合いました。

従来までとは異質のコロナが蔓延。
適切な治療法やワクチンの開発が待たれる

惣田
私たち若者には、そもそも新型コロナウイルスはどういうものなのかを知らない人が多いと思います。教えていただけますか。
尾﨑
なぜ、新型と付いているかと言いますと、もともとコロナウイルスというものがあります。ウイルスは非常に小さいもので107ナノメートルくらい。1ミリの千分の一より小さいんです。目では全然見えません。電子顕微鏡を使って漸く認識できるくらいの大きさです。丸い形をしていて、表面に冠みたいな突起が沢山あります。その突起を英語でコロナと言います。だから、コロナウイルスと名付けられているんです。

風邪の原因になるコロナには4種類あります。それらは、あまり悪さはしません。他にも、駱駝からうつる中東呼吸器症候群(MERS)、中国で起きた重症急性呼吸器症候群(SARS)、こういったものもコロナです。だから、コロナは今まで6種類ありました。今回また新しいウイルスが中国から出てきたので、新型のコロナウイルスという名が付いているんです。新しいウイルスなので、まだ治療法とか、ワクチンもありません。

例えば、肺炎などに罹った時に普通の細菌、いわゆるバクテリアは、ちょっと大きいサイズなので抗生物質というお薬を飲めば直ってしまいますが、ウイルスにはそういう特効薬はないので、これはこれで困ってしまいます。お薬がないわけですから。それから、予防のワクチンもできていません。そうした新型のコロナウイルスが流行っているので、罹ってしまったらどうしたら良いのかという話になっています。

抗体検査、抗原検査、PCR検査はどう違うのか

ICheck 疫学調査コンソーシアム アンバサダー SKE48 惣田紗莉渚さん-対談画像

惣田
新型コロナウイルスは、7種類目のコロナだったんですね。二つ目の質問は、抗体検査、抗原検査、PCR検査の違いについてお聞きしたいのですが。
尾﨑
まず、PCR検査というのは核酸増幅法と言いまして、簡単に言うとウイルスってコロナの場合は、核酸の種類がDNAとRNAとあるのですが、RNAのウイルスで作られた構造になっています。それを、構成している体そのものを核酸増幅していって、本当に少ないウイルスでも拾えるような形でそれをどんどん増やしていき、いるかどうかを調べる検査がPCR検査です。今のところ一番正確なんです。

それに対して、人間には体に免疫があります。はしかに一度罹ると二度と罹らないというじゃないですか。あれはどうしてかというと、はしかのウイルスを抗原、つまり自分の体にない異物として捉えると人間はそれに対して、抗体というものを作ります。その抗体ができていると、今度抗原が入った時に速やかにウイルスをやっつけてしまいます。だから、二回目からは罹らないんです。

これが抗原と抗体の関係です。抗原検査というのは、PCR検査と似たような感じで、ウイルスそのものの蛋白質の部分を、「これはコロナウイルスだな」と人間が認識するわけです。その部分が抗原になります。だから、ウイルスとほとんど同じなんですが、それをどうやって認識するかが問題です。抗原があるということは、コロナウイルスが体の中に入っている証拠になるので、PCR検査と同じように、もし抗原検査で陽性が出ればその人は、「あ、コロナウイルスに罹っている可能性がある」という話になります。

さらに、人間に異物が入ってきた時に人間の体は抗体を作って、今度異物が入ってきた時に備えてやっつけてしまいます。もちろん、やっつけられない抗体もあるんですけどね。ですから、抗体検査というのは、そのウイルスに罹ってしまう、入り込んできた時にそれに反応して抗体ができるわけですから、抗体検査で陽性が出たということは、その人がウイルスに前に罹ったということになります。抗体検査が陽性だからその人の体の中に今、ウイルスがいる・いないは分かりません。過去に罹ったことがあるということだけです。ちょっと前に新宿の小劇場で抗体検査をやって陰性だったからと安心してステージに出たら皆にうつってしまったということがありました。抗体が陰性だからといっても、それは過去に罹ったことがないという証拠にはなりますが、今罹っているという証拠にはなりません。ですから、抗体検査で罹っている・罹っていないという区別は出来ません。

惣田
私も自分で抗体検査をやってみました。
尾﨑
どうでしたか。
惣田
陰性だったんですけれど、検査する一週間前までに罹っていない可能性が高いだけだと聞きました。
尾﨑
そうですね。そうやってしばらく前に罹ったかもしれないという話にはなるものの、「私はウイルスを持っていない」と言って飛び回るわけにはいかないわけです。

新型コロナウイルスの現状と傾向を把握するには抗体検査が有効

東京都医師会会長 尾﨑治夫氏-対談画像

惣田
安心してはいけないということですね。三つ目の質問をしても良いでしょうか。抗体検査の意味を疑問視する声を耳にします。改めて、抗体検査、抗原検査、PCR検査を行う意味あいはどこにあるのでしょうか。
尾﨑
例えば、ある方が熱が出てきた。咳も出てきた。そして、あれ、最近ちょっと物の味がしないなとか、臭いを感じないとなると、これらはある程度新型コロナウイルスの罹った時の症状です。そういう症状があった人に、本当にコロナに罹っているかを調べようと思ったら、まず一番正確なのはPCR検査ですが、今では唾液でもできるようになりましたが、少し前までは綿棒を鼻の奥に入れて調べていました。インフルエンザの時にやったことがあるんじゃないですか。
惣田
やったことがあります。
尾﨑
あれって結構辛いですよね。
惣田
そうですね。
尾﨑
ああいうことをやって検体を取るのですが、インフルエンザの場合には、例えばくしゃみをしたとかで検体が飛び散ってしまっても、治療薬があるので、そんなに危険だとは誰も思いません。

でも、新型コロナウイルスだとそういう検査をした時には完全に防具をしないと罹ってしまうかもしれません。だから、PCR検査を行う時にはマスクやフェイスシールドをして、キャップを被り、ガウンを着て、手袋をはめ、もう宇宙飛行士みたいな恰好をしないといけません。なおかつ、検査を行った後にそれをまた分析するのに、すぐそばに機械があっても4時間も5時間も掛かってしまいます。だから、色々な意味で大変なんです。でも、正確度は一番高いんです。

それだとなかなか大変だから、別な検査でウイルスがいるかいないかが分かるようにしようというのが抗原検査です。この抗原検査の定量法だと、今はPCR検査と同じくらい正確です。この場合も鼻から取らないといけないケースが多いのですが、1時間以内に結果が分かります。

あるいは、インフルエンザと同じようにプレートに取った検体をぽとっと落とせば10数分で判明するのもあります。それは、定性の検査と言います。これでも、罹ったばかりで沢山ウイルスが出る時には、やはり陽性が出ます。だから、精度は落ちますが、感染力が一番強い、言い換えれば人に最もうつし易いタイミングでは、そういう検査でも結構陽性が出ることが多いので、PCR検査がすぐにできないという時には代用ができるのではないかという話があります。

抗体検査は、罹る罹らないではなく、例えば新宿という街であれば皆が抗体検査をやると、どれくらいの人がコロナに罹っているかがある程度分かります。コロナの場合には、症状がなくてそのまま過ぎ去ってしまうと困ります。特に、若い人にはそういう人が多いですから。それだと、本当に罹ったのか、どういう人がどのくらい罹ったのかが分からないじゃないですか。

そういうことを調べることによって、例えば集団免疫と言って、ある程度の人が罹っているとするとそのウイルスは、ほとんど流行らなくなるという話があり、そういうのに使えるんじゃないかと言われています。抗体検査はそういう風に、流行がどのくらい広がっているのか。今後新型コロナウイルスが、どうなっていくのかを見ていくためには非常に良いですね。

惣田
研究に役立つということですね。
尾﨑
そうです。それから、やはりこういうお仕事をしている人にコロナが多いと分かると、やはりそういう職業の方は注意をしないといけないという気持ちになります。ただ、検査は皆そうなのですが、どれくらい正確なのかという話もあるわけです。抗体検査キットも色々なところで作っているのですが、まだまだすごく精度の高いものは作られていません。ただ、初期よりもだいぶ精度は高くなってきています。そういう限界も考えながらやっていかないといけません。

あらゆる検査、皆そうなんですよ。PCR検査も陽性が出なかったら、「私は新型コロナウイルスに絶対に罹っていない」といっても、やはり2割、3割は偽陰性と言って、本当は罹っているんだけども陰性になってしまう人もいます。抗原検査も抗体検査もそうです。そういう意味で、検査すれば絶対大丈夫だと思えないところが、また難しいところです。でも、7、8割は正しいことが出てくるわけですから、そんなに苦しむとか、周りにうつってしまうというあぶない検査でなければ、やっていった方が良いに決まっています。世の中にうつってる人とか、うつっていない人がどれだけいるかが容易に分かってくるからです。

惣田
私も抗体検査だけですが、実際にやってみたらすごく簡単にできました。
尾﨑
血液を採ってやったのではないですか。
惣田
薬指に針を刺して、自分で血を取りました。思ったよりすごく簡単でした。検査したら絶対大丈夫ということはないということですが、検査をするのはすごく大切だと感じました。もし、今抗体があってもなくなってしまうこともあるみたいですね。
尾﨑
そうなんです。この前、香港でも報告がありましたが、3カ月くらい前に新型コロナウイルスに罹った人が、また罹ってしまったんです。どうして罹ってしまうのかというと、抗体ができていたのに3カ月ぐらいで消えてしまうからです。インフルエンザも、「毎年予防注射をしましょう」と言っているじゃないですか。でも、一度打ったら何年か打たなくても良いよという話にはなりません。また、「次の年も打ってください」といいますよね。あれは、5カ月ぐらいしか効果が持たないからです。

だから、ワクチンを打って抗体ができたとしても5カ月くらいで消えてしまうんです。おそらくコロナの場合も一度打つとずっと大丈夫とはならない可能性があります。

惣田
毎年ワクチンを打った方が良いわけですね。
尾﨑
今度新型コロナウイルスのワクチンができたとしても、もしかしたら何回も打たないといけないかもしれません。

東京都医師会会長 尾﨑治夫 / SKE48 惣田紗莉渚 ICheck疫学調査コンソーシアムサムネイル画像

コンソーシアムは、社会活動・経済活動を円滑に回していくヒントを提示してくれる

惣田
最後の質問です。ICheck疫学調査コンソーシアムに何を期待されますか。
尾﨑
社会の中でどのくらいコロナウイルスが実際に広がっているのか、どういう人たちが罹りやすいのかなど、色々なことを調べることによって、今後の政策、やり方を考えやすくなります。今は、そのあたりが漠然としているので「コロナって怖いな」と思われています。基本的に、人と人が接触しなければ、このウイルスはうつりません。

だから、最初の頃は人にはできるだけ会わない、家に閉じこもっていないといけないという状態を強いられていました。でも今は別にすれ違ったり、電車で通勤しても普通うつらないなど、「こういうのは大丈夫」というのが分かってきました。だから、どのくらいの年代の人がどれくらいうつっているのかとか、色々なことを調べることによって、あなたがたの芸能活動もそうだし、経済の活動もそうだし、「こういうところは緩めても良いのでは」「こういう人たちって結構罹っているのでは」ということが分かってきます。そういう一つのツールとして使っていったら良いのだと思います。

ただ、その時にやはり、どんどんこういった抗体検査もすごく進歩しているし、一時は中国製しか出回っていなかったのですが、今は色々な国で作っています。そうするとますます精度の高いものが出来てきますから、そういうものを使って、この人は罹っているのか、罹っていないのかと調べていくとやはり社会活動、経済活動を円滑に回していく一つのヒントになっていく気がします。そういう意味で、こういう活動を広めていくことは良いことです。

それから、若い人たちが「コロナに罹っても大したことない」と言って、罹ってもいいやと思っている人も結構いるのですが、実は若い人の命には関わらなくても、味覚障害や臭いが分からない状態が続いてしまう人がいます。それから後遺症的に色々なものが残ってしまう人が、結構います。だから、命には関わらなくても、まだまだ分からないことが多い新しい感染症なので、こういう抗体検査を受けたりして、「新型コロナウイルスってこういうものなのか」と理解していただいて、そして若い人もお年寄りも元気に生きていく社会にしたら良いと思います。

惣田
私も以前、ニュースやインターネットで新型コロナウイルスについて調べたことがありました。今日、尾﨑会長からお話をお聞きできて、コロナウイルスの構造がすごくよく理解できました。私たちSKE48は、ファンの人たちとかなり距離が近いグループです。握手会も頻繁に行ってきました。またそういうことができる日が来ることを信じて、ICheck疫学調査コンソーシアムのアンバサダーとして少しでも多くの人にプロジェクトのことを知っていただき、先生がおっしゃっていらした皆が元気で明るい未来になってほしいと感じました。今日は参考になるお話を本当にありがとうございました。

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